久しぶりに親戚の家へ
前回の「マイナーのスリーコード」のつづきである。
マイナー曲つまり短調の曲で使われるスリーコードについてあれからしばらく練習した。
といってもAmコード、Dmコード、E7コードを中心に、課題曲を繰り返し弾いていただけであるが。
その後、久しぶりにまた新家気の家に行く機会があったのでギターを持って行ってきたのだ。
最初にギターを手にしてから1ヶ月ほど経過していた頃だったと思う。
お兄さんとお姉さんに、多少なりとも上達した自分を見て欲しくて、さぞかし鼻息が荒かったことだろう。
ギターは購入時に付属していたチェックのソフトケースに入れ、肩に担いで持っていった。
そしてお兄さんとお姉さんはニコニコしながら出迎えてくれたのだ。
「ギター買ってもらったんだってね。いいねー。」とお姉さんが驚いていた。
上達の成果を
早速、ギター練習会が始まった。
「あれから練習した?」と、お兄さんはにやにやしながら聞いてきた。
「少しやった」と、また負けず嫌いの自分の性分が出てしまったが、正直なところ毎日弾いていた。
指が痛くて仕方がないという状態は、最初の頃はあったが、気がつくとそのこと事態を忘れていたのだ。
本当に指が痛い時はさすがに少しペースを落としたが、しばらく練習を繰り返していたら数日後には痛くなくなっていた。
指先が少し強くなったような気がした。
そして、おもむろに自分の新品のギターをケースから出し、この場所で数週間前に習ったCコード、G7コード、簡易Fコードを続けざまに弾いてみせた。
「おっ、すごいじゃん。滑らかだね。」と、お兄さん。
返事もせず自分はコードチェンジを繰り返した。まったく生意気な少年だったと思う。
ただ、普段家で弾いているときよりもぎこちなくなっていたのが不思議だった。
ギターを教えてもらった師匠とも言えるお兄さんやお姉さんの前だからなのか、あるいは人前で弾くのは難しいということなのか。
変な緊張があったかもしれない。というかそもそも「ギターが上手くなった自分を見せたい」という邪念があったためだろう。
今現在の実力を上回って人に見せようとすると、どんなものでも緊張するものなのだろう。
マイナー曲とメジャー曲
そして、いくつか覚えたメジャー曲を弾いたり、マイナー曲の例の「四季の歌」なども弾いてみせた。
「すごいじゃん」とお兄さん。「たくさん覚えたね」とお姉さんも褒めてくれた。
いつの間にか二人ともギターを手にして、合わせて演奏してくれた。
これはもうちょっとした演奏会であった。なんだか嬉しくなったと同時に、緊張も高まった。
バンドというのはこんな感じなのかな、と少し思った。何人かで合わせてひとつの曲を演奏するというのは楽しそうだと感じた。
メジャー曲も童謡を始めとして、何曲か弾いた。前回の復習という感じだった。
Fも当然、何度も出てきたが、このときはまだやはり「簡易F」つまりセーハ(バレー)をせず、3本指で弾いていたが。
いろいろな曲を弾く
そんなこんなで、お兄さんが持っていた本に載っていた曲をいろいろ弾いてみた。
簡単な曲なら、ゆっくりなら意外と弾けるようになった。
C、F、G7はパッパッとはいかないが、ずるずるっという感じにコードチェンジすることができた。
「マイナー曲もいろいろ弾いてみよう」とお兄さんが言うと、サンプル曲をいくつか見せてくれた。
やはり童謡というか誰でも知っている曲が中心であったが、「ひなまつり」「月の砂漠」「かあさんの歌」など、すでに知っているコードで弾けるという。
たいていはAmで始まり、Dmが途中で出てきて、またAmに戻って、最後あたりのキメの部分でE7が登場して、という流れだ。
あるいは、Amがしばらく続き、Dmに移ってすぐにE7に行くものもある。「かあさんの歌」などがそうだ。
少し複雑な曲も
ただ、もっと複雑な曲になると当然、スリーコード以外のコードも出てくる。
お兄さんが弾いてくれたフォークソングは、マイナー曲のようだったがいろいろなコードが出てきていた。
例えば「神田川」という有名な曲をお兄さんは弾いてみせたが、最初はAmから始まり、すぐにE7でまたすぐにAmに。
そして次はFに移ってG7になりCへと移ったのだ。
マイナー曲であるのにAm、Dm、E7以外のコードが出てきた。
しかもメジャー曲のスリーコードであったC、F、G7がである。
少し頭が混乱したのだが、それでもこの「神田川」はマイナー曲ということらしい。
「実際の曲ってこんな風に、マイナー曲でもメジャーコードが出てきたり、メジャー曲でもマイナーコードが出てくるんだよ。」とお姉さんが解説してくれた。
このことの意味はその時はあまりよく分からなかったが、テレビなどで歌われている曲というのは複雑なんだなと感じた。
つづきは「Emコードをさらに覚えるとほぼ完成?」へ
※上達実話を最初から読まれるかたは「ギターを始めたいと思う時」へどうぞ