スリーコードが基本

前回の「いろいろなコードチェンジ」のつづきである。

コードチェンジやコード進行のパターンというものがあるというのは何となく分かった。

しかしながら、自分にはまだそれよりももっと他に覚えることが多いとも思った。

そもそもコードのバリエーションがやっと分かり始めたところだ。

しかもまだC調つまりハ長調に限った話であり、登場するいくつかのコード、これをまず覚えなければならない。

復習、復習だ。何はともあれ、スリーコードが基本。

Cコード、Fコード、G7コードだ。

これをとにかく弾きまくろう。そう思っていた。

「スリーコードだってコード進行なんだよ。」と、横にいたお姉さんが突然話し始めた。

「コードチェンジもコード進行も限りなくあるけど、やっぱりスリーコードが基本だから。」と。

なるほど、Cの次にFに移って、G7に行ってからまたCに移る。

これも立派なコード進行パターンだろう。このコード進行はとても慣れ親しんだ。

スリーコードのコード進行

スリーコードのコード進行といっても、一つではない。

CのあとにG7に行ってFになる進行もあるだろう。

C、F、C、G7もあるかもしれない。

「それに、スリーコードとプラスアルファなんてのもあるよ。」とお兄さんも。

「スリーコードに何か一つ別のコードを加えるだけで、それはそれで表現がまた広がるんだ。」というと、C、Am、F、G7と弾いてみせてくれた。

確かにそうだ。Amが一つ入るだけで、C・F・G7だけのときとはまた違った表現力がある気がした。

先ほどの「戦争を知らない子供たち」だってそうだ。

C、Em、F、G7というように、スリーコードの途中ににEmコードが入り込んだだけなのに、ものすごく高度になった気がする。

奥が深いと思った。

循環するコード進行?

「いきなりいろいろ出てきて混乱するかもれないけど、『循環コード進行』っていうのもあるんだよ。」とまたお兄さんが話した。

循環コード進行?なんだそれは。

聞いてみると、「文字通り循環、繰り返すコード進行だよ。」とお姉さんが補足してくれた。

お兄さんがアコギを弾き始めた。「Dm、G7、C、Amと。これを延々と繰り返すんだよ。エンドレス。」

そう言ってそのコード進行をずっと弾いてくれた。

なるほど、確かにずっと繰り返しても違和感がない。ずっと続くような曲調だった。

いろんな歌手の歌で使われているんだとか。ふーん、と思った。

「ほかにも、スリーコード路線で、F、G7、C、Amの繰り返しもあるよ。」そう言うとこれもまた弾いてくれた。

さっきの循環コード進行と少し似ている気もしたが、これはこれでしっくりきた。

「あとは、Dm、G7、Em、Cとかかな。」とまた弾きつつ、「ま、でもこれはそのうち分かってくるよ。」とフォローしてくれた。

自分としてはもうお腹いっぱいであった。

さまざまなバリエーション

いろいろなパターンがあるのだなと思ったわけだが、お兄さんはさらに紹介してくれた。

しかし細かいところは実際のところ覚えていなかったのだが、確か「カノン・コード進行」を教えてくれたと思う。

飽和状態だった自分はもうわけがわからず、とにかく「いろいろあるんだな」というのがその日の感想だったので、いろいろ聞きすぎて少し疲れてしまった。

「カノン進行」はテレビなどでたびたび取り上げられるコード進行であるが、そのことについてよくわかったのは、これもだいぶあとになってのことである。

ちなみに「C、G7、Am、Em、F、C、Dm、G7」という、どんどん下がっていくような印象のコード進行だ。それを最後にお兄さんが弾いてくれたような気がする。

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