AmとDmを繰り返す
前回の「Dマイナー(Dm)では小指の登場」のつづきである。
短調のコードを覚え、マイナー曲の雰囲気を味わった。
マイナー曲というのはこんな感じなのか、とその余韻を楽しめた気がする。
非常に独特な世界観があるなと、幼いながらに思った。
寂しさというか、暗さというか。やはり明るくはない。
しばらくAmコードとDmコードを繰り返していた。
この二つのコードだけでも、独特の雰囲気がある。
前にも思ったが、AmのあとにDmを弾くと、Amとはまた違ったマイナー感が出る。
しばらくこの二つのコードを繰り返していた。
この繰り返しだけでも曲になりそうな感じがした。
E7というコード
そして次に出てきたコードがE7コードだ。
「何々マイナー」ではなく「7」、セブンスコードである。
E7というコードを押さえてみた。
今まで覚えたコードとはまた違う。
人差し指と中指だけを使うということで、比較的覚えやすかった。
3弦の1フレットを人差し指で、5弦の2フレットは中指で押さえるだけだ。
弾いてみたところ、これまた独特の切れ味を感じた。
なんという物寂しさだろうと思った。
Amコードを弾き、Dmコードにチェンジして、さらにこのE7コードを押さえて鳴らしてみた。
強烈な展開の音である。
また種類の違った暗さを感じた。
セブンスコードというと、前にG7コードを覚えたが、E7はそれとはまた随分違った響きに聞こえた。
G7はそういえば明るさの中に動きが感じられ、そのあとにCコードに進むことでとても「しっくり」きた。
決して暗いコードではなかったはずだ。しかし今回のE7コードは暗い印象だった。
それが不思議に感じたのだ。
四季の歌の完成
マイナー曲、つまり短調の課題曲として「四季の歌」を弾き始めていたが、このE7コードで全てのコードが揃った。
つまり最初にAmから始まり、もう一度Amが続き、そのあとで一度Dmとなり またAmに戻る。
そしてその後でまた一度Dmになって、Amに戻り、このあとでE7が登場して、またAmに戻るというわけだ。
一度だけしか登場しないE7コードであるが、この一瞬の展開が素晴らしい。
何ともいえない盛り上がりを見せる感じだった。
盛り上がるといっても、決して騒がしくなるわけではなく、「寂しさ」の頂上に到達するようなイメージだった。
そしてAmに戻ることで、「寂しさ」の安定が感じられたのだ。
しばらくこの曲を繰り返してみた。
右手は特別な弾き方ではなく、いつもの「人差し指の爪でジャラーン」と弾くだけだ。
6本の弦を、太い方つまり6弦から順に鳴らしていく。
最初のAmで1つジャラーン、次のAmでもう1つジャラーンという感じだ。
これでも充分だった。
つづきは「マイナーのスリーコード」へ
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