ギターのプレゼント

前回の「ギターの上達のために」からのつづき。

初ギター演奏のエキサイティングな日からしばらくして

なんと父親から「フォークギター」をプレゼントしてもらった。

小学校5年生の分際で、なんと贅沢な。

そして何とありがたいことか。めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。

もうそれ以降は文字通り「ギター漬け」になったのは言うまでもない。

子供用というわけではないが、少しサイズは小さめのアコースティックギターだった。

YAMAHAのFGシリーズだ。FG202というタイプだ。

少し小ぶりで、ギターのボディの部分のくびれというかへこみが大きめで曲線が強い。

初心者なのでそんなに高級なクラスではなく、本当に手ごろな、それでいてしっかりとしたギターだった。

ギターの値段なんてピンからキリまであることは後々分かった。

すごいものだとマーチンだとかギブソンとかで、何十万あるいは百万円の桁になるという。すさまじい話だ。

上手くなればそういうものが欲しくなるのだろうけれども、当時の自分にはこのFG-202が最強のギターだった。

実はこのギター、今でも弾いている。

金属製の棚の横にギター用のフックを設置して、ギターを吊るせるようにしてあるのだ。

弾きたい時にすぐ手を伸ばして弾ける、この便利さも、後々になって重要だと気づいた。

指先が痛すぎる

話は戻るが、ギターを手にした少年は、当然のことながら真っ先にスリーコードの復習をした。

習ったばかりの「Cコード」「G7コード」そして「簡易Fコード」の3つのコードだ。

しかし、左手の指でCのコードを押さえてみると、

「ゆ、指が痛い!」

本当に痛すぎた。

先日の初回ギターレッスンでの猛演奏のせいか、左手の指先がヒリヒリとして、うまく弦を押さえられなかったのである。

確かに、先日の帰り際にもすでに指先の「ヒリヒリ」は始まっていた。

お兄さんやお姉さんにも、「指痛くなるよ」と言われていたのだ。

フォークギターの弦は、エレキギターの弦に比べると、張りの力が強い。

弦の張りが強ければそれだけ大きな音が出るからだ。

電気を使わない生ギターであるフォークギター(アコースティックギター)は、ボディー本体の共鳴で音を増幅する必要がある。

そのため、ある程度の張力を弦に持たせて可能な限り大きな音にしようとしているのだ。

エレキギターは、電気的に音を拾い上げてアンプやスピーカーで増幅するので、生の音はそこまで大きい必要はない。

だから、フォークギターで弾きまくると、左手の指への負担はエレキギターよりもずっと大きいものになる。

このことを前回、お兄さんに言われていたので、「まあそんなものか」と思っていたが、あれから数日経過し、より痛みは増していた。
きっと初回では、ギターを弾いた興奮と喜びで、痛みを感じなかったのかもしれない。

よくケガをした瞬間は痛みを感じないけれど、時間が経つにつれてジワジワと痛くなってくる、というあれに似ていた。

指が痛いときの対処法

それで、お兄さんに対処法を聞いたわけだが、基本的にはない。

傷が治癒するのと一緒で、指もだんだん慣れてくるそうだ。

人によってはある程度指先の皮膚が硬くなるという。

人間の不思議、とでもいうのか。

負荷がかかることが繰り返されると、防御反応として体に変化が出てくるのだろう。

セロテープを指先に貼ったり、ゴムサックをすると多少やわらいだが、そうすると違和感も出てくるのですぐにやめた。

他にも「のり」や「ボンド」を指先に塗って固めて対処するという荒ワザもあるようだが、やめておいた。

やわらかい弦を張るとよい?

あとは、お姉さんのアドバイスとして、「できるだけ柔らかい弦を張るといいよ」とのこと。

同じフォークギターでも、弦の太さがあるようで、初心者は細めのものを使うと多少は痛みが治まるんだとか。

細ければその分、張りもやわらぐので、押さえやすい。

でも音量は小さくなるようだ。

ただ、弦を張り替えなくてはならないので、そのアイデアは踏みとどまった。

いつか弦を本当に交換しなければならないときにでも考えようと思った。

その時は、痛いけれども「もっと弾きたい」願望が勝ち、とにかくこのままの環境で指を休めつつ、少しだけ復習したと思う。

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