ギターの弦を鳴らすとき

前回の「音階とアルファベット」からのつづき。

今までは左手で作るコードの形ばかり気にしていて、右手について触れていなかった。

というのも最初は「ギターは左手の指で形を作って、右手で音を鳴らせばよい」と考えていたからだ。

もちろん、左利きの場合はギターの音を出すには左手になる。

自分は右利きなので鳴らす手は右手だが、今までは鳴らす側の手のことはあまり考えなかった。

右手はもう適当に、人差し指の爪でジャラーンと鳴らすか、親指の腹で鳴らしていた。

人差し指の爪で鳴らすときは少し硬い音の響きがあり、親指で鳴らすときは柔らかい音がした。

知らないながらも、弦を鳴らすときに音が変わるのだな、と思った。

ピックを使うか手で弾くか

そういえば先日、初めてギターを弾いたときに、お兄さんの右手は何か小さなものを持っていたなと思い出した。

聞いたら「ピック」というものだった。

少し丸みがある三角形で、3センチぐらいの幅のプラスチックでできている、言わば爪の代わりのようなものだ。

それを右手で持ち、弦を鳴らすことでシャープな音が鳴る。

ジャカジャカと、ギターをかき鳴らす「ストローク奏法」の場合には、よく使うという。

自分はピックを持っていなかったので、人差し指で弦を鳴らしていた。それは別に不自由はなかった。

むしろ、何か別のものを使って弾くほうが難しいと思っていた。

なので「ピックはそのうち使おう」という程度であった。

サムピックやフィンガーピックも

また、お姉さんは親指に何か爪のようなものをはめていた。

聞いたら「これはサムピックよ」とのことだった。

サムは、親指の英語である「thumb」らしく、親指にはめるピックだから「サムピック」と言うのだと。

借りて自分の親指にも装着してみたが、ちょっと窮屈であったので違和感を感じた。

ただ、右手の弾き方にも、いろいろあるんだなと思った。

あとギターの教本で見たのだが、親指以外の指、つまり人差し指や中指などに装着するピックもあるようだ。

そうなるともう完全装備で、なんだか弾きづらそうだった。

とにかく、今は人差し指の爪でいこう。ピックの代わりになるので充分だった。

最初は人差し指の爪で充分

スリーコードの復習をしながら、ひたすら弾いた。

CコードからG7へのコード・チェンジはだんだん素早くできるようになってきた。これは以前もやった「起立・礼」のパターンだ。

Cが安定した和音の響きにたいして、G7は少し変化がある音に聞こえた。丁度「礼」をして頭を下げた時の音だ。

不安定というほどではないが、次のCに戻ることで非常に安定する感じがした。

続けて練習をしていくと、だんだんCコードから「簡易Fコード」への変換も何とかスムースにできるようになってきた。

コードの響きとその印象

コードにはそれぞれカラーがあると感じた。

Cは何といっても安定感がある。Cコードの安定感から、Fコードは少し飛躍したような和音に聞こえた。

そして続いてG7コードを弾くとさらに音が変化して、Cコードで落ち着くといったイメージだ。なのでG7は少し不安定なのかもしれない。

それらの三つのコードを弾くだけでも、なぜか曲を弾いているような錯覚があった。そして何より楽しかった。

まだ、FからG7へのコード・チェンジで、つっかかったり少し間があったりしたが、楽しかった。

あ、正確にはFコードではなく、簡易Fコードであったが。

つづきは「Aマイナー(Am)というコード」へ

 
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