おなかに響いたギターの音
前回の「アコースティックギターのにわかレッスン開始」のつづきである。
いろいろ前置きがあったので余計に「ギターを早く弾きたい!」という気持ちが高まり、つい弦を鳴らしてしまった。
「ボーーーン」
重く低い響きと振動が自分のおなかに伝わった。
一番自分の顔側にある一番太い弦、構えた時に一番上側に来る弦、それが6弦である。力強い音だった。
次にその下にある弦を同じく親指で、今度は少し強く弾いてみる。
「ボーーーーーン」
最初の音よりは高い音に聞こえて少し違う印象だったが、やはりおなかに響いてきた。これが5弦だった。
「6弦(ろくげん)が一番低い音なんだよ。一番太くて。」
とお姉さんが言い、自分のギターを弾いてみせた。
確かに一番太く、よくみると弦に細かいギザギザが入っていた。こするとギシギシと音がする。
もう一度自分で6弦を鳴らしてみると、再度低く伸びる音が響きわたり、自分の体にも響いた。
ミラレソシミがギターの弦の音
そして今度は順番に、全部の弦を鳴らしてみた。
手前の6弦から5弦、4弦、3弦、2弦、1弦と、一通り鳴らしてみると、音の高さが明らかに違うことは小学生の自分でもなんとなく分かった。
「6弦から順番に、ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミっていう音階なんだよ。」
お兄さんが言うと、お姉さんが同じように「ミラレソシミ」を弾いてみせた。
どうしてそのような音の並びなのか少し疑問に思いつつ、順番に鳴らされた「ミラレソシミ」が、それほど綺麗な響きには聞こえなかった。
また、非常に単純なことだが、ギターは左手と右手で弾くはずなのに、左手で弦を押さえなくても音が出たことが少し不思議だった。
「6本まとめて弾いてごらん」
とお兄さんが言うので、言われるままに「ジャラーーン」と6本の弦を鳴らしてみた。
まとめて弦を鳴らすとかなりの音量になったが、あまり曲っぽくは聞こえなかった。
和音などはよくわからないが、1本ずつ弾いた時と同様に、あまり綺麗な響きにはなってないというか、しっくりこない感じがした。
ギターのコードを弾いてみる
6本の弦を何度か続けて、ただ鳴らしてみた。
「これはこれでコード(和音)なんだよ。なんていうのか忘れたけど。」
お姉さんがそう言うと、お兄さんが「イーマイナーセブン、オンエーじゃない?」と付け加えた。
あとで知ったが「Em7 on A」とのこと。「Em7/A」と表記したりするらしい。
和音には違いないが、ちょっと今ひとつだったので、「はやくコード弾きたい」と自分が言うと、二人は笑った。
「じゃあシーを弾いてみようか」
とお兄さん。
「一番基本のコードだし、学校でも『ドミソ』って習ったでしょ?」
というと、ギターを持っているお姉さんが「C」のコードをジャラーンと弾いてみせた。
今度はとてもしっくり来る和音だった。
確かに「ド・ミ・ソ」っぽい感じがした。
いよいよギターっぽいレッスンになってきたと思ったが、たぶんここまでで10分も経っていなかったと思う。
つづきは「Cのコードを弾いてみる」へ
※上達実話を最初から読まれるかたは「ギターを始めたいと思う時」へどうぞ