二つのコードを繰り返す

前回の「Cの次はG7のコード」からのつづき。

Cコードを覚え、続いてG7コードをなんとか覚えたところでお兄さんが

「じゃあ今度は、二つのコードを繰り返し鳴らしてみよう」

と言った。

まだまだ一つのコードを押さえるのに10秒ぐらいかかっている。

そんな状態でコードを繰り返し鳴らすなんてことができるわけがない。

でも、やってみた。

・・・。

やはり、、できない。当たり前である。

コード・チェンジは難しい

「これはコード・チェンジって言うんだよ。」

と言って、お姉さんがやってみせてくれた。

Cのコードを弾いた直後に、瞬時に指の形がG7になり押さえ、音を鳴らす。

あざやかだった。見事なコード・チェンジであった。

お姉さんの指さばきを見ながら、真似して自分でもやってみるのだが、どうにもこうにも指がしなやかに動かない。

もたもたと、順番に指が動きながら、しばらくしてようやくコードの形になる、といった感じだ。

「どうしたらそんな速く切り替えられるの?」

とうとう降参してお兄さんに質問してみた。

パッと押さえられるように

「さっき言ったように、慣れてくるとパッとコードが押さえられるんだよ。」

お姉さんが付け足す。お兄さんも続いて、

「Cがパッと押さえられたら、そのあとにG7をパッと押さえて弾くだけだよ。」

簡単に言ってくれる。しかしできるわけがない。

当たり前だ。ギターを初めて触って数時間でできるわけがない。

これは練習するしかない、と思った。

負けず嫌いなので練習は苦ではない。むしろ、くやしくて練習を続けてしまう。

そして練習の果てにできた喜びはこの上ないものになるだろう。

もうギターを始めるしかない。いや、もう始めてしまっている。

ギターが欲しい。次の誕生日か何かで絶対買ってもらおう。

と、心の中でストーリーがどんどん展開してゆき、興奮していくのを覚えた。

コード・チェンジのコツ

「それでも、コード・チェンジのコツってあるんだよね」

おもむろにお兄さんがつぶやく。

なになに?そんなのがあるなら最初から言ってよ、と思いつつ、話を聞いてみると、

「前に押さえていたコードをきっかけとして、次のコードを押さえるんだよ」

とのこと。何を言ってるのかわからないので実際にやってもらった。

すると、まずCのコードを押さえていたとして、次にG7だとすると、

「Cで押さえていた2弦1フレットの人差し指は、そのまま1弦にずらすだけ。」

とお姉さんが言う。するとお兄さんが、

「それで中指と薬指は、Cの時と同じ形のまま2本同時に5弦と6弦にずらすんだよ。」

という説明だった。

なるほど、それは効率がいい。

Cを押さえていた形を基準として、人差し指は1弦に、4弦5弦の中指と薬指は、その形のまま5弦6弦に移動。

こうすれば、比較的すばやく切り替えることができる。

これまた感動してしまった。なんと効率がいいのか。

結果的に、Cで押さえていた左手をざっくりと少し「右回転」させたような動きだ。

練習はもちろん必要だが、これならスムースに切り替えることができそうだ。

G7からCに戻すのは、この逆をやればいいわけである。

少しコツを頼りに練習してみると、ちょっとずつできるようになった。

起立・礼の和音

お兄さんがすかさず、

「ほら、これで『起立・礼』ができたじゃん」

と言うので、やってみた。まさに「起立!礼」だ。

単純な発見であるがものすごく満足したのを覚えている。

つづきは「チューニングの大切さ」へ

 
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