美しい和音の響きに感動
前回の「Cのコードを弾いてみる」からつづく。
Cのコードを覚えたので、やっとギターコードらしくなったと確かに感じた。
弦を1本ずつ弾いてみても綺麗な音であるし、一度にジャラーーンと鳴らしてみても音の響きが良い。
まるで自分がもうギターを弾ける人になったかのような感動があった。
最初に覚えたコードであるCコード。あの小さい頃から慣れ親しんだ「ドミソ」である。
たった3本の指で弦を押さえただけであるが、音としては6本分の音が出ている。
単純に楽しかった。
調子に乗って右手でジャカジャカと、多少リズムを変えながら弾いても、和音は変わらず鳴り響いてくれる。
この感動がこのあと何十年もギターを弾き続けるきっかけのひとつになったのかもしれない。
次のコードを
しばらくCのコードを楽しんでいるとお兄さんが
「じゃあ次のコードを覚えよう」と。
まだまだCを堪能したかったし、一度指を離したら再度押さえる自信もない。
「最初は1本1本、弦と指を見ながら押さえるけど」
と今度はお姉さんが。
「慣れてくると瞬間的に指の形を作って押さえられるようになるよ」
と言うと、お姉さんはパッと指を離し、何も弦を押さえていない状態から瞬時に、左手でCコードの指の形を作って押さえてみせた。
本当に一瞬の間に、である。「すごい」と思った。
自分は一度指を離してしまうと、どうしても「えーと、2弦の1フレットを人差し指、4弦2フレット、5弦3フレットで・・」と時間がかかる。
飛び石を順番に踏みつけるようなスピードだ。
瞬時に形を作るなど絶対無理、と思ったが「慣れればできる」と聞いて、練習しようと思った。
G7というコード
「じゃあ次のコードはG7(ジーセブンス)ね」とのことだ。
音楽の授業でいうところの、「シレソ」とか「シレファソ」だそうだ。
確かにそんなように和音があったことは記憶していた。
とにかく左手の指の位置だ。お兄さんが
「人差し指で1弦の1フレット、中指で5弦2フレット、薬指で6弦3フレット、ね」
というと、言われるままに自分でやってみた。
今度のコードはなかなか難しそうだ。
先ほどのCコードでは使わなかった1弦や6弦は、一番距離が離れているので押さえにくそうだ。
指示されたとおりに押さえてたが、左手の指がつりそうになった。苦しい。
指が言うことを聞かない
悪戦苦闘していると
「もう少し左手の手首を曲げて、親指を奥にするといいよ」
お兄さんがそう言うので、やってみた。なるほど少し押さえやすい。
弦を6弦から順番に鳴らしてみると、6弦はいいのだが、5弦が「ボツッ」っと鈍い音。
どうやら薬指の腹が、5弦に触れてしまっている。
「もう少し薬指を立てないと5弦にあたる」
うんうん、わかってる。わかってるんだけど、指が言うことを聞かない。
あれこれと指の角度やら親指の位置、手首の曲げ具合を調節してみたら、なんとか一瞬だけいい音が鳴った。
でもしばらくするとまた「ボツッ」の音が再発。
だんだんこの鈍い音に腹が立ってきた。
もともと負けず嫌いの性格だったので、できないというくやしさと腹立たしさが渦を巻いていた。
気がつけば1時間経過していたようだ。
つづきは「コードチェンジと起立・礼」へ
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